ウォーキングで学ぶ江戸時代の歩き方 -疲れにくい効率的な歩行術-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

江戸時代の歩き方とは?現代ウォーキングへのヒント

江戸庶民が歩いた距離と生活習慣

・江戸時代の日本人は1日平均30キロ以上歩いて旅をしていました。 中でも江戸時代の後期にはお伊勢参りが大ブームとなり。年間数百万人以上の人が参拝したと言われるています。東北から三重県の伊勢神宮までまで歩いて旅すると、3ケ月以上かかったそうですが、毎日30㌔歩いて旅することができたのは、日本人がそれだけ歩く能力があったってことです。同じ村から毎年数人が選ばれ、旅だったそうですが、そのメンバーは若い男性だけではなく、若い女性やおばあさんもいたそうです。昔の日本人の歩行能力は驚くほどです。

腕を振らずに歩行していた

・一般的に「ナンバ歩き」とは、同じ側の腕と足を同時に前へ出す歩き方であったと広く語られてきました。しかし近年の研究や考察によれば、それは誤った理解であり、江戸時代の人々がそのように不自然な歩行をしていたわけではないとされています。むしろ当時の歩き方には、独自の美意識や生活様式に根ざした特徴がありました。具体的には、歩幅は控えめで小股を基本とし、腕を大きく振ることはなく、足の裏全体を地面に着けるようにして安定感を保ちながら進みました。また、身体をやや前傾させることで効率的に重心を移動させ、長時間の移動にも疲れにくい姿勢を実現していたのです。こうした歩行様式は、現代人がイメージする「ナンバ歩き」とは異なり、自然で合理的な身体運用の一形態として理解されつつあります。

 

小股歩行と足裏全体着地のメリット

・小股で歩くことの最大の利点は、歩行時に腰が左右へ水平回転しない点にあります。一般的に「普通の歩き方」とされるスタイルでは、大きく一歩を踏み出し、必然的にカカトから着地する形になります。つまり、足を自分の体の前方に置くため、どうしてもカカト着地となり、その瞬間に衝撃が直接体へ伝わり、力がマイナス方向に働いてしまうのです。これが長時間の歩行では疲労や負担につながります。

一方で、小股で歩く場合は踏み出した足が自然に体の真下へ着地するため、足裏全体で地面を捉えることができます。さらに、着地の際に膝を軽く曲げておくことで衝撃が効率的に吸収され、関節や筋肉への負担が大幅に軽減されます。その結果、歩行はより滑らかで安定し、体に優しいスタイルとなるのです。小股歩行は単なる歩幅の違いだけではなく、身体の構造に沿った合理的な運動様式であり、自然な姿勢を保ちながら長時間歩いても疲れにくいという大きなメリットを備えています。